「重要点にアンダーラインを! P・フランクルの本は楽しい」
僕は、一年生のときに両親にすすめられるまま塾(サカモトセミナー)に入塾しました。 一年生から三年生までの三年間は、塾の授業を聞いて帰ってくるだけで、宿題もなく復習などもせずに毎日遊んでいました。四年生になると、授業が週に一回増え、日曜特訓もあることはありましたが、生活は三年生までとあまり変化はありませんでした。しかし、志望校というものを意識しだしたのは、この時期だったと思います。一年生の時からずっと教えてもらっていた先生が、かつて通っておられた学校=灘中学校に僕も入りたいと思うようになりました。その先生が言われるには、灘中学はとても自由な校風で、楽しくおもしろい先生方がおられるということでした。僕はその先生を尊敬していましたので、行けるものなら行ってみたいと漠然と思ったのです。五年生になると塾も新しく社会が入って、休みも週に一度しかないようになりました。そのころから、僕は社会に関しては授業中にできるかぎり完全にマスターするように心掛けました。何故なら、覚えればできる科目で、理科の生物分野などを覚えることに比べて、ずっと楽だったからです。しかも、出題される問題はだいたい限られています。またこのころから、苦手だった国語の読解で、先生が「要点の部分に線を引くと分かりやすい」と言われたので、実際にこのやり方で解いていくようになりました。その結果、“芦研”の模試を受けるごとに点数も増え、順位も上がっていったのです。苦手な国語で、そこそこの点数を取れるようになったのは、要点に線を引くことを習慣づけたからだと思います。五年生の夏休みに入り、少しは気を入れて勉強をしなければと思い、『力の五〇〇〇題』 の国語と理科をやり始めました。理科では科学や天体のように主に覚えるものに絞り、国語ではやはり重要な読解を中心に勉強していきました。算数や社会はある程度自信を持っていたので、特別に力を入れることはありませんでした。ただ、社会は時々思い出したように地図帳などを見て復習しました。僕は、こういう状態で六年生をむかえましたが、これまでの“芦研”では結構、上位にいることができました。しかし、六年生になって最初の“芦研”で、自分の甘さをいやという程思い知りました。五年生の時よりかなり多くの人が“芦研”を受けているのです。その中で、理科 と社会は十位以内でしたが、国語では信じられない程悪く、得意の算数でも今までの自信が飛んでしまう順位でした。僕はスランプにおちいりました。国語は今までの読解中心から、点のとりやすい知識分野を中心に変えて、また算数でも『力の五〇〇〇題』をやりだしました。夏休みに入り、読み出したのが算数の本です。点数を少しでも取りたいと思って読み始めましたが、大いに役立ちました。その本とは、『パズルより面白い中学入試の算数』です。ここでは、問題を問題集などでありきたりの考え方で解くのではなく、少し変わったおもしろい解き方をしています。この解き方を完全にマスターすれば究極の秘密兵器になると思います。他には『頭をよくする本』、『頭のよくなる本』があり、三冊とも著者はあの有名な数学者のピーター・フランクル先生です。先生の本は非常に楽しく読むことができます。何故なら、先生の人生経験に基づいたエッセイがふんだんにあって、息抜きには最適だからです。問題も良問ぞろいで、この三冊を読めば算数の問題を解くのも生きていくことも楽しくなるのでぜひ読んで下さい。夏休みも終わり、次の“芦研”ではピーター先生のおかげもあって、成績もかなり上位になりました。この成績を維持するために、『最高水準問題集』の算数と国語をやり始めました。この本には<難問>などのマークがあるので、自分のレベルにそった問題をやれば良いでしょう。 冬休みに入り受験は目の前。ここからは自分の好きな分野をやればいいと思います。ちなみに僕は、図形と物理と化学ばかりしていました。そして、初めての受験。前日の夜は少し怖かったけれど、当日受験会場で大勢の受験生 を見て、勇気がでてきて緊張などふっとんでしまいました。西大和、東大寺と無事合格し、ついに本命に灘中学の受験を迎えました。今までの二校と全く違った緊張感があり、そのせいか二日間ともあまり自信がありませんでした。ただ、試験が終わるとみんな笑っており、僕も終わったということがかなりうれしかったです。受験が終わって言えることは、「合格」と聞いた時(灘中学の時は新幹線で東京にむかう時でした)の感動はとにかくものすごいです。勉強していて良かったと思いました。これから受験されるみなさん、ぜひこの感動を味わえるようがんばって下さい。
「時間のきりかえと集中力 解く喜び、楽しみを味わう」
「何よりも自分の努力が大切! 読解力を高める“読書”」
「本当に実力がつくのは復習! 夏休みは苦手克服のチャンス」
「本当の勉強を教えてくれた先生に感謝! 苦しい講習はとても身についた」
「将来は人の役に立つ仕事を… 何とか理解しようという結果が」
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